ご　挨　拶 地球環境行動会議 会長　山口　俊一

世界各地で異常気象による甚大な被害が頻発しています。熱波による山火事、旱魃、豪雨による洪水、山崩れなどの土砂災害、さらには海面上昇により水没の危機に晒されている国々等、年々自然災害はその規模を拡大する一方で被災地の惨状は目を覆いたくなるものばかりです。これらは全て人類の旺盛な経済活動を支えるエネルギー源を石油、石炭、天然ガス等の化石燃料に依存しているからです。燃焼されることにより排出される膨大な炭酸ガスが地球を覆い温室効果ガスとなって地球温暖化や気候変動をもたらしました。

日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル達成を世界に向けて宣言しました。

私たちは国際社会に公約したことを実現する責務を負ったわけです。幸い、今日、国際協力の進展なくして人類生存基盤である地球環境問題の解決はあり得ないことがパリ協定の発効をみても常識となっています。196の国と地域が参加した第26回気候変動枠組条約締約国会議（COP26）では、米国、日本、EU等の先進国から新興・途上国（とりわけ経済発展が著しい中国、インドなどの国々）には排出削減目標の一層の上積み要求がだされ、その見返りとして先進国には環境対策の資金支援要求がだされました。水没が懸念されている島嶼国（モルジブ、バルバドス等）からは、先進国、新興国・途上国等に対して気候変動対策が手遅れとならぬよう適応策を急ぐよう要請がでました。いずれにしても、脱炭素で世界各国が一致して国際協力することしか地球温暖化問題を解決できないことがあらためて明白となったわけです。言うまでもなく人類生存基盤である地球環境保全こそ最優先すべき課題であり、有力な超党派国会議員を中心に、経済界、学界、官界等から使命感をもった方々の参加を得て、地球環境問題の解決に31年余に亘り真摯に取り組んでいるのが地球環境行動会議（GEA）です。

隔年で開催されるGEA国際会議を中心に地球環境問題への国際世論の喚起に寄与してきた団体として高い評価を賜り1999年、国連環境計画（UNEP）からグローバル500賞を授与されております。今後とも地球環境問題の解決に貢献できるようなお一層の努力を続けてまいりますので、ご支援とご協力をお願い申し上げます。